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役員報酬はいくらにしたら良いか?

公開日:2021年05月12日 / 最終更新日:2021年05月14日

著者:根津大介(税理士)

役員報酬

結論、いくらでも良い。

というのが私の考えです。

かなり乱暴な言い方かもしれませんが、基本的にいくらでも良いと思っています。自分の会社ですし、自分がどれだけの報酬をもらおうが自由です。

ただ、「それだけ出せる資金があるか」「税務署に何か指摘されるのではないか」「銀行から指摘を受けるのではないか」「従業員に申し訳ない」といった様々なしがらみや条件があるため、簡単にはいかないのが現実だと思います。

 

税理士がまず最初に考えること

税理士がまず最初に考えるのは、法人が法人税を支払わなくて良いぐらいまで、報酬を上げることだと思います。ただ税金だけの話をすると、ここ最近の日本の税制は法人税率を下げて所得税率を上げる傾向にありますので、高すぎる役員報酬は法人税を抑えることはできても、所得税でそれ以上に徴収されることになります。

さらに社会保険料の支払い義務が法人にはあるため、その分を考慮すると法人税を支払ったほうが資金の流出は防げると思われます。しかしそう言われても個人資金を増やしたいというのであれば、それでも良いと思います。

ただ、役員報酬を取りすぎて会社に資金が残らず、資金繰りが苦しくなった場合、赤字の会社であれば銀行借入れが難しくなりますので、会社経営が困難になる可能性があります。

 

結局、いくらにすればいいの?

結局、いくらにすればいいの?と突っ込まれそうですが、いちばん大事なことは、今後どうしていきたいのかを決めてから、目的に沿った役員報酬を決めることです。

例えば、今後事業を大きくしようとしていたり、会社を売却するために会社の財務内容を良くしなければならない場合は役員報酬を低くして、利益を積み上げる必要があります。

それとは逆に個人資産を増やしたい場合や退職金の金額を増額させたい場合は、多少赤字になったとしても役員報酬を増やすことがあります。

もしどちらでもなく特に決まっていない場合は、役員報酬を除いた法人の利益が1,000万円以下であれば、多少利益が残るぐらいで役員報酬を設定するのが良いと思われます。今後の会社の方向性が変わったとしてもどのようにも対応できるからです。

基本的に役員報酬は年に1度しか変更できず、決算後に来期の予想のもと決めていくものですから、長期的なビジョンを考慮して、事業計画のもと決定していくことをお勧めします。