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公開日:2019年05月17日 / 最終更新日:2019年05月17日
著者:根津大介(税理士)
先日、500時間働く経営者が新聞の一面を飾った。
近頃問題となっているコンビニ経営者を題材にしたもの。
24時間働いて疲弊している、家族との時間がない、人材不足、本部からの圧力などなど
色々な問題を抱えているコンビニFCビジネス。コンビニ経営者は大変だ、可哀そう、本部は血も涙もないなどコンビニ経営者に同情的な意見が多いようですね。そんな世間に後押しされて、公正取引委員会も動いているようです。みなさんも同じような考えですか?
本当にコンビニ経営者の大多数の方がそう感じているでしょうか?
そりゃー24時間365日店が開いているのですから気が休まりません。
私も『コンビニ経営なんて絶対嫌です!』
クライアントにコンビニ経営者を多く抱える私がこんなこと言っていいのか!
と突っ込まれそうですが、大丈夫です。当のコンビニ経営者にも同じことを言ってます。
それに対するオーナーの答えは大抵、
「ホント!やるもんじゃない!」
と言われます。
メディアでは散々、本部の悪い点ばかりをあげておりますが、あれだけ叩かれると本部に同情したくなります。たしかに本部の怠慢や問題点は多く見受けられますが、そこまで言われるような行為はしてないと思います。当事者であるオーナーに聞いてみると、ほとんどの方が今回の報道に大して冷めた目で見ており、報道されたオーナーの意見に対して賛同する方はあまりおりませんでした。
なぜ?とみなさんは思われるかもしれませんね。
現状、辛い店舗経営をしていながら、その苦境を打破しようと頑張っているオーナーが多い理由とは
覚 悟 が で き て い る か ら
経営されているオーナーが特別根性があるというわけではなく、覚悟がないと
や・ら・せ・て・も・ら・え・な・い からです。
ん⁉
そうなんです。お金さえ払えば誰でもコンビニ経営ができるというものではありません。
経営者となるためにはいくつかの面接を行わなければなりません。
その面接の度に「コンビニ経営は大変だから本当にやれますか」と聞かれます。
最後の役員面接でさえも。
オーナーからよく聞かされます。「本部の人間は俺にやらせたくないのか」と。
契約の段階では、契約書の読み合わせというものを2日ほどかけて行います。
一字一句オーナーと本部社員が契約書の中身を読み上げ、疑問点や不満がでないように確認作業を行います。
さらに契約後、もし売上が思っていた以上に伸びず生活がままならない場合、オーナーがまじめに取り組んでいれば店舗の移動を行ったり、病気などの理由により店舗運営ができないと判断されれば違約金なしで契約解除を行ったオーナーもおりました。
コンビニ経営者に限らずどんな事業の経営者でも相当の苦労をされています。私も立ち上げ当初は仕事が煩雑すぎて寝れない、遊べない、家族と会えない日々が続きました。それをどうにか軌道に乗せるのが経営者の仕事です。
FCビジネス以外の事業をされている方のほうが様々な悩みを抱えていらっしゃいます。
酒屋の経営からコンビニ経営に転換されたオーナーに24時間のコンビニ経営は酒屋と比べて辛くないですか?と聞いたところ
「酒屋をやっていた時は資金調達、値段の交渉、販売戦略、などなど全て自分自身で行わなければならなかったですし、明日の支払いをどうしようと考えて眠れない日々を過ごしていた時と比べると精神的にも安定しています」と言われておりました。
ここで私が申し上げたいのは、物事には色々な見方、考え方があります。そのため事業をされる場合や契約を交わされる場合、少しの情報だけで簡単に判断しないでほしいのです。メディアを信用しすぎない。(ネットの情報も!)
メディアからの情報は嘘を言っているわけではありませんが、意図して操作することはできると思います。今回のように一人のコンビニ経営者が全員の代表であるかのように。
起業する時は一つの情報だけでなく、様々な観点から情報を精査しなければなりません。本当に自分でできるのか?どれだけの苦労とそれに見合う対価が得られるか?いつまでそれが持続できるのか?
村事業の関係者や経験者など様々な方に聞いて生きた情報をもとに判断することをお勧めします。
それを怠っていると、「こんなはずではなかった」と後悔することになります。
これからのコンビニビジネスはある意味、お勧めです。
これだけの問題が出て、叩かれたので、本部は反省して、かなりオーナー寄りになってます。
今までのビジネスモデルを改革し、少人数でオーナーが今まで以上に儲かるシステムを考えております。
ただ、私はやはり『やりません』けど!
みなさんはいかがですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。