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公開日:2019年07月14日 / 最終更新日:2020年09月17日
著者:根津大介(税理士)
コンビニを経営するにあたって運転資金が全く必要ない事をご存知ですか?
会社を経営する時に重要な事としてあげられるのが資金管理だと思います。損益計算書においては黒字なのに倒産してしまうというのはたまに聞いたりしませんか?この原因はほぼ資金管理ができていないからだと思われます。そのためキャッシュフローが大事だとよく言われております。
なぜ黒字なのに会社が倒産してしまうのかは話が長くなるのでまたの機会にしますが、資金管理は会社の明暗を分けるほどの重要性を持っております。コンビニ経営はその資金管理をしなくて済むというのは凄い事だと思いませんか。それだけで倒産のリスクがかなり減ります。
通常、店舗経営をされている方は商品を仕入れて、お店に並べて、その商品を来店客に販売します。その際に現金が入り、その現金を仕入れ代金や人件費・経費の支払いに充てます。最近はカードや電子マネーなどが多く取り扱われますが、売上がたっても実際に入金されるのは10日後だったり20日後だったりします。その間の資金を自己資金で賄ったり、借入で賄ったりしていると思います。
コンビニの場合はその日の売上金は全て本部に送金します。そのため店舗に残っている現金はお釣りのための現金ぐらいです。仕入れ代金や人件費・経費の支払いは全て本部が代行して支払ってくれますので、オーナーが現金を支払うことは殆どありません。
もし売上金よりも支払いが多い場合は本部が自動的にオーナーに資金を貸出しますので、支払いに悩むことは一切ありませんし、業者への支払いや従業員への給与の支払い業務も全て本部が代行して行ってくれるので、通常の会社で言うところの経理や総務といった部門は全く必要がありません。
昨今、政府はキャッシュレス化を叫んでおりますが、個人経営者にとってはありがた迷惑な話です。カードや電子マネーは使用されるたびに手数料が取られ、利益が減らされ、現金の入金は現金売上より遅れることでその間の当座資金を考えなければなりません。現金売上と比べると手間と経費が掛かり、個人商店にはあまりメリットはないような気がします。
そんな事情を知っているので、個人商店で買い物する時はカードや電子マネーを使う事に気が引けるため現金で支払いを済ませたりします。
全てのFC契約を知っているわけではありませんが資金管理までしてくれるFC契約はコンビニだけの様な気がします。なぜ他のFCではできないのかというと資金管理するためにはかなり高度なシステムを持っていることと資本力がなければ、これほどの資金が動く個人経営者を束ねることはできないからです。
ただ、その分の縛りはあります。先ほど申し上げたように毎日の売上を必ず本部に送金しなければならないし、お釣りのための現金の管理も徹底的に指導されます。もしこれを怠ると始末書を書かされ、それでも改善されない場合には契約解除を言い渡されます。
資金管理をしなくても経営が成り立つというのはとても魅力的ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。