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公開日:2019年09月23日 / 最終更新日:2019年09月23日
著者:根津大介(税理士)
先日、来年独立する税理士と話をしていたのですが、人を雇うのかという質問に「自分でやった方が早いし、資金もかからないから雇う予定はない」と言っておりました。
その場では何も言わずに「へぇそうなんだ」と返事をしただけで終わりました。
経営に正解はありません。そのため事業の運営方針についてもこうあるべきだと断定もしません。その方がやりたい事、理念、目標がそのやり方に合っていると思えばそれでよいと思います。
経営者の皆様はこの税理士の意見をどう思われますか?
44歳で独立し65歳まで税理士事務所を運営していこうとすれば、いくら独立したときに食べていけるだけのクライアントを持っていたとしても、ある程度新規のクライアントを増やしていかなければ、離脱者や廃業も出てくるので、そのうち成り立たなくなると思います。
時代は進化していきますが人間は衰えていきます。体力も脳の活動も気力も年々衰えていきます。
いずれ行動しなければならない時期がくるのであれば、体力と気力がある若いうち若しくは勢いがある起業したての時期に行動したほうが良いと思います。たとえ、事務所の規模や収入の維持だけで良いと考えていても、今から経営者として動いていかなければならないように思います。
さて、経営者自身が30分で終える仕事をパートに任せれば60分かかる仕事があります。
パートの時給が1,000円で、30件の仕事をパートに任せずに自分自身が行ったとすると30,000円の経費を削減できる。その反面、経営者の時間が15時間取られてしまいます。
この考え方をどう思われますか?
単価・経費というのは過去の出来事に対する対価の話をしておりますが、経営者は未来の話をしなければならないと思います。経営者は会社の創造者であり、指揮者であり、先導者であるべきで、労働者ではありません。
では、経費という考え方を投資と捉えればいかがでしょうか。
30,000円の資金を使って、経営者の時間の15時間を得て、経費30,000円以上の収入を獲得する。30,000円を倍、3倍、4倍にし、今後の経営資金へ役立てることで、経営を軌道に乗せることができると思います。
本来の経営者はこのような考えで行動することが必要だと思われます。このような行動ができるのは経営者だけです。経営者の時間は経費を削減することに使うのではなく、未来への投資に使うものです。
だからこそ、経営者の時間を時間給ではかるという根本が違うと思います。
起業したての頃は少ない資金の支出を極力減らすため、経費をかけずに一人だけで全てをこなし、自分の時間を使います。
時間は限られており、24時間働ける訳でもないため、経営者が本来考えなければならい経営方針や営業戦略が疎かになり、実務ばかりに時間がとられてしまいがちです。そのため経営がなかなか軌道に乗らず、資金と時間だけが費やされてしまいます。
資金の使い方も大事ではありますが経営者の時間をいかに効率的に未来のために使えるかを考えるほうが経営を早く軌道に乗せるためにはより大事なことだと思います。
みなさんは経営者の仕事を時間単価ではかれると思いますか?
最後までお読みいただきありがとうございました。